妊娠・出産

カンガルーケア(早期母子接触)について

カンガルーケア(早期母子接触)とは?

出産からまもないタイミングで赤ちゃんとママやパパが肌と肌で触れ合うことをカンガルーケア(早期母子接触)と言います。医療上の問題がなければ当たり前に行われる行為ですが、実は大切な意味がたくさんあります。

カンガルケアー(早期母子接触)のメリット

赤ちゃんへのメリット

呼吸と心拍の安定: ママの肌に直接触れる温もりと安心感によって、呼吸や心拍数が安定し、子宮の外の環境に早く慣れることができると言われています。

体力消耗の軽減: 赤ちゃんは生まれた直後は激しく泣いています。カンガルーケアにより安心できると落ち着いて泣き止み、体力消耗を抑えられます。

免疫力の向上: ママの肌の常在菌に触れて、免疫力が高まり、感染症のリスクが減ると言われています。

母乳育児の促進: ママの胸の上でのると自然におっぱいを探す行動が見られる場合が多く、初めての授乳が成功しやすくなります。

体温の維持と安定: ママの肌に直接触れることで、体温が保たれ、低体温を防ぐことができると言われています。

ママ、パパのメリット

母乳の分泌を促す: ママと赤ちゃんが肌で触れ合うことで、ママの体の中でプロラクチンと言うホルモンが分泌され、母乳の分泌を促すと言われています。

幸せホルモンの分泌: カンガルーケアにより、ママパパの脳内ではオキシトシン、プロラクチン、エンドルフィンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンは親子の絆を深めようとする感情を刺激すると言われています。

産後うつリスクの減少: 子育てに伴う不安やストレスが減少し、産後うつの発症リスクが低下するという報告があります。

育児への自信の醸成: パパにより強く現れる効果として、我が子の誕生を実感し親として子育てをしていく自信と覚悟を育てると言われています

カンガルケアー(早期母子接触)の注意点

タイミングについて

出産後、最初の1時間程度は赤ちゃんははっきりと目覚めているので、なるべくその間に早期母子接触をすることが赤ちゃんとの絆を深める効果が高いと言われています。

安全の確保のため、カンガルーケアは助産師や看護師の立会いのもとで行います。ママや赤ちゃんの体の状態やスタッフ体制の都合によっては、分娩直後の実施は控えていただくことがあります。当院ではそうした場合でも、状態を見ながらなるべく早いタイミングで触れ合えるように最大限配慮を行うように心がけています。

香水や喫煙について

生まれた直後の赤ちゃんはとてもデリケートです。風邪気味だったり、皮膚病やヘルペスの兆候などがあれば接触は控えましょう。また、香水をつけたり、接触前の喫煙も控えることが推奨されます。

バースプランへの記載

カンガルーケアについての希望があれば、ぜひバースプランに加えて医療スタッフへ伝えておきましょう。

最後に

当院では通常分娩(経膣分娩)で出産したママでも、帝王切開のママも出産後できるだけ早くにカンガルーケア(早期母子接触)を実施するように心がけています。カンガルーケアを希望するママは、バースプランに記載して、助産師にお伝えください。深い愛着のもと子育てをスタートできるようにスタッフ一同精一杯がんばります。